Re: バスレフダクト計算の質問 投稿日:2022年 3月 9日(水)22時36分22秒
> 1.§3中の「●ダクト断面積とロスの算出」の【例題9】の10cm,4L,94dB,Qd=10の条件で,r=0.039√√(PVcQd)の式で計算するとr=1.47cmになるとなっているのですが,この結果を,【例題9】の上の方に書いてあるQd=45000S^2/PVcの式にS=πr2(m2に換算)として,P=1,Vc=0.004を代入するとQd=5.17・・となつて,もとの問のQd=10に戻れないのですが,式が正しいとして,私の計算の間違いをご指摘願えないでしょうか?
r=0.039 √√(1*0.004*10)=0.0174m =1.74cm です。つまり計算結果を書き写した時のタイプミスでした。
ダクト半径の誤差は4乗で効くので、Qdは2倍違う値になってしまいます。→誤記内容は修正します。
> 2.【例題9】で「バスレフ共振点での最大音圧を94dBとして・・・」との記述があるのですが,ここでの「最大音圧」の意味は,当該バスレフボックスに取り付けられたSPKへの電気的パワー入力を徐々に上げて行ったとき(このときSPKの音響出力は無限に電気的入力に比例して増加するとする)バスレフダクトから発生可能な共振点での最大音圧・・・つまりそのダクトで発生しうる限界的な音圧と解釈すればよいでしょうか?
「限界」というより、実際の再生レベルの一番大きな所の音圧と言う感じです。
> 3.【例題9】では「Qdを最低10程度確保したい」となっているのですが,なぜ10程度とされたのでしょうか?
> 例えば別の方のHPでは参考としてですがQd=√(S*F/μ)*(L+0.85*D)/(L+D)なる式(Sはダクト面積,Fはダクトの共振周波数,μは空気の粘性,Lはダクト長さ,Dはダクト径)が示されており,これに適当な妥当的数値を代入すると平気で50以上のQdが算出されます。
Qd>10としたのは抵抗成分によるレベル低下を無視できる条件です。
Qd=√(S*F/μ)*(L+0.85*D)/(L+D)の式は空気粘性のみを考慮したもので、空気流が出口で吐出されて運動エネルギーとして運び去られるロスを応慮していません。
ダクト出入り口にRを付けて徐々に広げると空気流速が広げた分低下するので、エネルギーロスは減ります。
> 以上,ご質問さしあげている私の意図としては,ダクトの共振点での音圧をSPKの中音域以上の音圧より低く設定することを志向しており,その音圧差を指定した場合にダクトのQとダクト面積はどう設定すればよいかを計算で求めたいと考えています。その際ダクトの共振点でのSPKの音圧は既知であるとして。そのようなことを考えて色々調べているうちにflip-flopさまのHPに出会い,この質問を差し上げるに至ったものです。
> ご可能な範囲でよろしくお願いいたします。
ダクト面積を絞ってダクト音圧を下げる方法は、発生音圧でQが変動するので大音量時に音が詰まってしまいます。
ダクトQが十分高い条件でバスレフの低域周波数特性を検討し、どうしてもダクト音圧を下げたい場合は音圧に拠らない抵抗値を示す「ARU」を付けると良いでしょう。ARUとは、パンチングメタルや薄い布をピンと張るなどの音響抵抗です。